…時々、晴れ雨。

グレーな私と子供たちを取り巻く日々を。

ジェントルマンゆういちろう

少しばかり風が強い、麗らかな春の日に 長女りーさんは 無事、小学校を卒業致しました🌸


この6年間で背も随分伸び、成長した

りーさんを見て

あぁ、あんな事もあったなぁ…。


ーーなんて感慨は 

中途半端にスマホ動画を撮り始めた為に 腕を攣りそうになった痛みにより、消滅したけれど😅


しかし、 お友達に囲まれて笑っている りーさんを見ていると 素晴らしい小学校生活だったのが分かる。

 

その後、近くのコミュニティセンターにて 有志の保護者主催で

「お別れ会」が開かれた。


まだ肌寒いと言うのに、子供たちは卒業式を終えた興奮がさめぬのか 

飲み物がガンガン無くなる。

慌てて追加の買い出しに向かう友人ママと私。


それぞれ両手に 2ℓのペットが数本入った袋を持ち、重みによろけながら階段を登る。

そこに現れたのはK君だった。


K君は 先生の信頼も厚く、大変勉強が良くでき、何度も学級委員や、生徒役員に選ばれたりと

いわゆる「優等生」と呼ばれる男の子だった。


私の住むここいらは、

ウン〇〇年の古くから伝わる祭りが催され、大人になっても 参加を求められるなど  その縛りが強く残る地域

で、子供達の殆どが地元の中学校と行く。

彼は出来の良さ故、有名私立の中学に進学が決まったそうです。


私は直接K君と接した記憶はないのだが   ちょっとした思い入れがある。

それは「名前。」


K君には大変立派な名前が、ちゃんと あるのだけれど

何故か、私は彼を「ゆういちろう」と思い込んでしまったのです。

しかも苗字込みのフルネームで。


話は実に単純で「ゆういちろう君」は別で実在していて、ただの人間違いなだけなのですが、

何度間違いを正されても 私の思い込みは消える事はありませんでした。


そもそも「ゆういちろう」の名前が持つ私のイメージが。


家庭が裕福で、勉強が出来て 学級委員をやっていそうな優等生。

趣味はゴルフやスキー。

将来の夢は医者か弁護士…みたいな‼️

うわぁ、お金持ちっぽ〜い!


実際のK君の家庭環境は知らないのですが 

まさに「ゆういちろう」のイメージにピッタリだったのです。

(顔も ゆういちろうっぽかった)

しかも K君の将来の夢も医者と言う。


娘りーさんに「はぁ?ゆういちろうじゃないし!」

と言われても、この思いは変えられない。


そして 本物の“ユウイチロウ君”と

言えば、クラスでも失敗をして 笑いを誘ってしまう、少しおっちょこちょいキャラだそうだ。

「今日ねー、“ユウイチロウ”が 笑った拍子に牛乳吹いちゃってさ‼️」

なんて話を聞いても 私の頭には 聡明なK君が浮かぶ。


「…え? あの、ゆういちろう君(K君)が?」

と、違和感が残るのでした。

そりゃそうだ、全くの別人だもの。

そんな思いが数年続いた。


「お母さんは、卒業してもK君を「ゆういちろう君」と思い続けるだろうな〜」

と、卒業式前日に言うと りーさんは

「あー  はいはい。」

と取り合ってもくれませんでした。


……そんなこんなで。

階段でよろける私を見て、K君は声をかけてくれました。

「持ちます。」そう言って手を出してくれました。

わー ええ子や〜〜。


「あ、ありがとう。」

私は一瞬考え、ペットボトルが少ない方の袋を差し出しました。

男の子とは言え、りーさんと同じ年の子供だもの。そんな躊躇が過ぎったのでした。


所が彼は。


「こっちを持ちます。」と重い方の

袋を持ってくれたのだった。


な!なんてジェントルマン‼️‼️


うーん。完璧でした。さりげない気遣い。

これは、私立行くわ〜。

私が面接官でも合格させちゃうわ〜。


もう。彼は素敵なジェントルマンでした。


重いペットボトルの袋を颯爽と持つ彼の背中に

「それでも君は、ゆういちろう君なんだけどね。」と

心の中で呟いたのでした。


御卒業おめでとうございます㊗️