…時々、晴れ雨。

グレーな私と子供たちを取り巻く日々を。

このつぶやきは 悲しみの持ち主の為にあって欲しい

世の中には「過ぎた事はもう終わった(解決、時効)もの」と考えている人がいるようです。


これに似た感覚の例えをあげると

「酒での失態は無効」でしょうか?

酒に酔っていて正気ではなかった、

本来の自分ならこんな事は決してしない。 

「だから」あんな事をしてしまったのは酒のせいであって…と責任の所在を酒に求める人。


私の男性上司にもいましたね〜。

飲み過ぎて抱きついたり、胸を揉んだりと完全なセクハラ行為でした。

翌日男性上司は謝罪の言葉を口にしつも 上記の様な反省のない発言をして女性社員たちを敵に回してしまいました。

(その後も酒癖が悪い上司は周囲の信用を無くし業務に支障をきたしたので転勤して行くはめに…。)


酔うと何者かに変身するのだと言うのでしょうかね。

実際の所、お酒によって理性が飛んで 元々の素の自分がはみ出ちゃったんじゃないのですか❓

と、私は思うのですが。


これらに言える事は、どちらも迷惑をかけた本人(加害者)の弁であって

迷惑をかけられた側(被害者)の発言ではないと言う事です。

もし被害者側での発言だとしたら、それは単に失態をしでかした相手へな気遣いや思いやりからだと思います。

でも 失態にそんな身勝手な理由をつける人が本当に反省なんて出来るものなのか疑問です。


何故こんな話をするのかと申しますと、今朝読んだ新聞にある介護殺人の裁判の記事が目に止まったからです。

そしてこの事件のキーワードが

先程の身勝手な考え方が招いたものだと感じたからです。

内容は夫を介護していた妻が首を絞めて殺害してしまったと言うものでした。


病気を患い、1日をほぼベッドで過ごしていた70代の男性。

その身の回りのお世話をされていたのはやはり同年代の奥さんでした。

自分の事もままならなくなってきていると言うのに、日夜問わず続く夫の介護。

奥さんの疲れは相当なものだったはずです。

そんなギリギリの毎日を送る中で旦那さんから衝撃の告白をされたと言います。

「四十年前に浮気をしていたんだ 。」


この旦那さんは30代後半から浮気をしていたそうです。

お相手の女性も既婚者であり、愛情はなかったけれど実に10年にも渡ってお付き合いをされたとか。


当時奥さんは 自分の夫の不貞に気付いておらず 家事や育児を一人で担い

、大手企業勤めの仕事に忙しい不在がちな夫を支えていたと言います。


奥さんは予想もしていなかった夫の裏切りに、そして全く気付かなかった自分の愚かさに涙したそうです。

その時の奥さんの胸中は察して余りあるものでしょう。


そして涙にくれる奥さんに対し旦那さんは

「もう随分昔の話じゃないか、時効だよ。時効❗️」

と言ったそうです。

奥さんの地獄は この日から始まりました。


もう、40年も前の話じゃない。

とうに過ぎた事じゃない。

相手とはただの遊びで、妻は私じゃない!

…きっと何度も何度も 自分に言い聞かせていただろうと思います。

それでも怒りや失望が止む事はなかったでしょう。


しかも こんな残酷な告白をした張本人の夫のお世話をし続ける毎日。

身体共に疲弊していた奥さんを更に追い詰めたのは… 旦那さんでした。


お相手と一緒に出張先で落ちあった事や秘密の旅行の話を楽しげに話しながら、浮気に気付かなかった奥さんの鈍感さを笑ったそうです。

その上で なじる奥さんに

「もう終わった事を何を今更。時効だよ、時効。」

と簡単な言葉で片付けられてしまったと。

そして事件は起こってたのです。


この事件の奥さんは 現在、服役しているそうですが何とも複雑な心境です。

命を奪った事はいかなる理由があっても決して許されません。

でも私は「何十年も前の浮気だから」と言う理由だけでこの奥さんの苦しみが薄れるはずはない、と思えるのです。

記事には亡くなった旦那さんについてはあまり書かれていませんでしたが、発言を読む限りは、むしろ旦那さんの無神経さが起こした事件だと

思いました。

いくら過去とは言え、長年連れ添った奥さんが裏切りを知ったらどんな気持ちになるのか 何故想像しなかったのだろうかと歯ぎしりしたくなります。

三者である私が言う立場ではありませんが、この秘密は墓まで持っていくのが せめてものマナーであり、奥さんへの愛情なのではないのかと思いました。


でも世の中にはね、いるんですよ。

「過ぎた事はもう終わった事。」

そう勝手な時効を設けて無かった事にしたりする人が。


失敗を引きずらないように断ち切る為に自ら そう思う事で前を向く人がいる一方で、

自分の不都合さや悪意を帳消しにしようと魔法の呪文を唱える人が。

目の前から罪や認めたくない感情が消えれば 事実すらなかったと思える人が確実にいるのです。

そしていとも簡単に忘れてしまうのです。


例えば虐めをした人は数年も経てば、虐めた相手の事も、虐めた行為すら覚えていないけど 虐めを受けた人は ずっと覚えていて 行為がなくなった後でも苦しみが続く人もいるといいます。


深い悲しみに落ちてしまった人にこそ

「過ぎた事は、終わった事。」

このつぶやきは必要なのに。


もし許されない事をしたとしても、反省や後悔があれば その相手を忘れるなんて出来ないと思います。

普段は胸の中の深い深い所にしまい込むようにしていて、決して消せるものではないでしょうに。


前出の旦那さんは若かりし頃の武勇伝として 「強かった男の自分」を語りたかったのでしょうか❓

罪悪感にかられ、謝罪をして心を軽くしたいと願っていたのでしょうか❓

当の旦那さんはいませんし、もうそれを知る事はできません。


誰かをひどく傷つけてしまったら

後悔と共に、戒めとして背負って生きて行くしかないんじゃないのかな

…と私は思います。


それは罪を犯してしまった奥さんも同じでしょう。そして誰もが。

みんな人を傷つけて、傷ついて生きています。

だから痛みが分かるのでしょうね。